日本のリーダーシップを再定義し、未来を共に創る

日本に求められていた新たな方向性

グローバル本社の方針に沿って日本組織を刷新しようとしたとき、最初に向き合う必要があったのは、「日本としての方向性を、どう自分たちの言葉で描き直すか」という問いでした。

 

当時、日本市場ではさらなる事業拡大が期待されており、注力領域の明確化と、それを支える働き方や組織の変革も同時に求められていました。

 

しかし、グローバルの方針をそのまま展開するだけでは、日本の現場には十分にフィットしない。一方で、日本独自の考えだけで進めるわけにもいかない。

 

その間にあるバランスを、日本の経営陣自身が主体的に描き直していく必要がありました。


まず、経営陣の一体感をつくる

そこで最初に重視したのは、「経営陣自身が、同じ方向を向ける状態をつくること」でした。

 

戦略や変革を社員に伝える前に、まず経営陣同士が互いを理解し、自分たち自身の言葉で方向性を語れるようになる。そのプロセスを丁寧に設計していきました。

 

トップの間で認識や温度感が揃っていなければ、どれだけ完成度の高い戦略を掲げても、組織全体には浸透していきません。

 

そのため、あえて時間をかけながら、経営陣が対話を重ね、自分たちの意思として未来を描いていくことからスタートしました。


オフサイトと対話を組み合わせる

今回の取り組みでは、主に3つの場を組み合わせながら進めていきました。

  • 経営陣オフサイトを通じた、相互理解と戦略対話
  • 全社オフサイトによる、方向性共有と社員との対話
  • フォーカスグループによる、部門横断の改善活動と実行推進

経営陣オフサイトでは、まず互いのコミュニケーションスタイルや働き方への理解を深めたうえで、日本としてのビジョン、ビジネス戦略、組織戦略について対話を重ねました。

 

その後、全社オフサイトでは、経営陣が整理した方向性を社員へ共有しながら、「この未来をどう実現していくか」を社員自身も考え、意見を出せる場を設計しました。

 

さらに、日常業務のボトルネックや部門間課題については、経営陣主体のフォーカスグループを立ち上げ、改善アクションを継続的に進めていきました。

 

「決めて終わる」のではなく、「対話し、動かし、見直し続ける」というリズムを、組織の中に意図的につくっていったのです。


組織の一体感と透明性が変わり始める

この取り組みを通じて、組織には少しずつ変化が現れ始めました。

 

経営陣が自らの言葉で方向性を語るようになったことで、社員に対しても、経営としての意思やコミットメントがより明確に伝わるようになっていきました。

 

また、社員同士が「会社としてどこを目指しているのか」を共有することで、普段は見えにくかった部門間の理解やつながりも深まり、組織全体の一体感が高まっていきました。

 

フォーカスグループの活動を通じては、業務改善だけではなく、「互いに助け合うことが会社全体の成長につながる」という意識も少しずつ広がっていきました。

 

さらに、全社コミュニケーションの場では、戦略や進捗を以前より透明性高く共有する流れが定着し、社員からのフィードバックをもとに、経営陣自身も継続的に改善を重ねるようになっていきました。

 

戦略は、文書として完成させるものではなく、対話を通じて組織の中で育っていくもの。そのことを実感できた取り組みでした。


対話を起点に、主体性が育っていく

経営陣と社員の間に生まれた新しい対話の流れは、その後も継続的な改善サイクルとして動き続けています。

 

次のステージとして取り組んでいるのは、社員一人ひとりの主体性やオーナーシップをさらに引き出し、エンゲージメントを高めていくことです。

 

経営陣が示した方向性を、現場が「自分ごと」として受け止め、自ら育てていける状態へと進もうとしているのです。

 

もし今、

  • グローバル方針を日本にうまく翻訳しきれていない
  • 経営陣の足並みが揃い切っていない
  • 戦略を決めても現場まで浸透しない
  • 部門間の連携や一体感に課題がある

そんな感覚があるのなら、必要なのは、完成された戦略資料だけではないのかもしれません。

 

経営陣自身が同じ言葉で未来を語り、社員と対話できる場をつくること。それが、組織が動き始める大きなきっかけになることがあります。


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